名言から学ぶ「心の置きかた」

第4回『機嫌よく生きる』

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誰でも毎日いい気分でいたいものです。

いい気分で目覚め、いい気分で家族と対話し、いい気分で一日を過ごす・・・。

そんな毎日が続くこと・・・これも“幸せ”のひとつの形ではないでしょうか。

でも、実際の毎日は・・・。

目覚ましアラームに強制的に起こされ、体調は悪く、身体は痛くて気分も最悪。

家族ともろくに会話もなく、あったとしても文句や病気の話ばかり・・。

仮に職場へ行っても忙しく事に追われ、人間関係も仕事の話題以外は

ほとんど会話がない・・・。

 

「機嫌よく生きる?」

「そんなの、ムリムリ!」

「だって身体が痛いんだもん」

「だって病気なんだから」

「そりゃ出来れば、機嫌よく生きていたいさ。

 でも線維筋痛症なんだから、絶対に無理だって」

「それに、周りはあんな人たちばっかだし」

まあまあ、そう言わないで(笑)。

ちょっと一呼吸して、機嫌のよくないときの自分の頭の中の声を聴いて

みましょう。

 

おお、聞こえるぞ・・・なになに・・?

「自分はこんなに大変なんだ」

「自分はこんなに痛いんだ」

「自分はこんなにがんばっているんだ」

「自分はこんなに疲れているんだ」

「自分はこんなに気分が悪いんだ」

「自分には無理なんだ」

「なんで自分ばっかりこんな目にあわなきゃならないんだ」

この言葉をよくよく、観察してみましょう。

すると、共通点があります。それは・・・

そう“自分”のことばっかり・・・なんですね!

 

さあさあ、その共通点が分かったところで、今日の本題です。

『機嫌よく生きる』にはいくつかの方法があります。

今日はその中でもニーチェ先生の方法をご紹介したいと思います。

『いつも機嫌よく生きていくコツは、人の助けになるか、

誰かの役に立つことだ。そのことで、自分と言う存在の意味が

実感され、これが純粋な喜びになる』

(フリードニッヒ・ニーチェ/19世紀のドイツの哲学者)

お~! 視点のコペルニクス的転換、です。

自分の意識のベクトル、矢印の方向を“自分”から“自分以外の誰か”に変えてみる。

すると、なんとなくわかることがあります。

それは何か?

みんな、それぞれ、その人は、その場所で、とってもで忙しく、

すごくがんばってるし、疲れてる・・・。

そう、自分だけじゃなく、みんな大変だったんだ、ってこと。

確かに線維筋痛症という症状は普通の生活からたくさんのものを奪っていきます。

しかし、そうでない人たちもそれぞれの環境の中でみんながんばり、苦しみ、

一生懸命に生きているのです。

「自分が・・・」

「自分だけが・・・」

「自分ばっかり・・・」

ニーチェ先生によりますと、こういう思考が頭の中を占領している限り

“機嫌よく生きる”という状態は訪れなさそうです。

ニーチェ先生はこんな言葉も残しています。

『誰かを喜ばせることは、自分も喜びでいっぱいにする。

どんなに小さな事柄でも人を喜ばせることが出来ると、私たちの両手も心も

喜びでいっぱいになるのだ』

 

誰かを喜ばせる。

なにかとっても大きな事をするのではなく、ほんの、ちょっとでもいいから、

何かをしてあげる。自分のできることでいいから、何かをしてみる。

ほんのちょっとでもいいから、喜んでもらう。

すると、僕たちの手の中に、あるいはこころの中に、あったかい、喜びという

感情がふんわりと湧き上がってくる。

自分が出来る、ほんのちょっとした親切。

これが、ニーチェ先生の言うところの『機嫌よく生きる』コツなのです。

 

これが究極的な生き方にまで昇華すると、こんな言葉になって表現される

のではないでしょうか。

『本当に幸福になれる者は、人に奉仕する道を探し求め、ついにそれを

見いだした者である。これが私の確信である』

(アルベルト・シュバイツアー・19世紀のフランスの哲学者・医者)

 

なにもニーチェ先生やシュバイツアー博士なんかと同レベルで行う必要は

ありません。そもそも出来ません(笑)。

自分の“今いる場所”“できる範囲”“できること”“できる時”

“できるだけ”やっていけばいいんだと思います。

 これなら、誰にでもできる。そう、僕にも出来る。

 

さっそく、今日からやってみましょう。

機嫌よく生きるコツは、

そう、昔のことわざにもあるように、

『一日一善』

 

だったのです!

刀根 健(とね たけし)氏のご紹介

*資格 産業カウンセラー(初級)、TAインストラクター(上級)

*経歴 TA(交流分析)理論を中心にコーチングスキルやグループワーク、

    また人事制度の改革や風土改革などのコンサルティングを得意とする。

    企業や病院を中心に活躍中。

 

*主な著書 快適な人間関係を築く『ストローク・ライフのすすめ』(フォーメンズ出版)